要 請 書            

司法制度改革推進本部  御中
同顧問会議       御中
同「裁判員制度・刑事検討会」メンバー 殿
                        2002年12月9日
 
             市民の裁判員制度つくろう会

第1 顕名の実現を強く要求します。
「裁判員制度・刑事検討会」は、市民の強い要求にも関わらず今だ議事録に発言者を公表しないまま今日に至っています。非顕名の5つの検討会の議事録音テープの情報開示請求に対し非開示決定がされたのを受け、行政訴訟が提起されました。こうした中、仲裁検討会が顕名に変更するなど、非顕名を見直す論議も始まっています。
最高裁の一般規則制定諮問委員会すら議事録を顕名公開している現在、極めて重要な市民参加の問題を議論するこの検討会が非顕名を貫いていることは到底納得ができません。去る11月5日の衆参国会質疑においても、「裁判員制度・刑事検討会」の非顕名を問題とする質問が国会議員からあいついでいます。これを受けて佐藤幸治顧問会議座長は、11月5日の参議院での質疑で「(非顕名の5つの検討会も)聞くところによると、いずれ顕名でもいいんではないかという方向でお考えいただけるんではないかという感触を得ております」と述べています。
しかしながら、この国会質疑後の11月20日の検討会においても、顕名に関する改善はなされておらず、議事概要を見る限りでは顕名化に関する議論すらなされていません。「裁判員制度・刑事検討会」の公開される議事録を見る限り、発言者名公表による弊害が生じるような論議は一切見受けられません。また、顕名にしている他の検討会において顕名による弊害が発生したという話も聞きません。
裁判員制度を市民が参加しやすい、市民が主体的・実質的に参加できる制度とするには、これから裁判員になる市民に十分な情報を提供し、市民の声に耳を傾けて制度設計をすることが極めて重要です。
早急に顕名に切り替えること、そのためにこの問題を12月の検討会の議題として取り上げられることを強く要請します。

第2 10月31日までの意見聴取について
1 推進本部が8月1日から10月31日まで、裁判員制度に関して意見聴取を実施しました。
2 しかし、従前私たちが指摘したとおり、「裁判員制度」という言葉自体知らない市民が圧倒的であり、まして意見聴取の機会を知っている市民は極めて少なかったといわざるを得ません。意見聴取の広報にあたっては、裁判員制度に関する説明が十分になされ、国民に対する十分なPRが図られるべきであったのに、十分な説明・PRがなされたうえでの意見聴取とは到底いえなかったものと考えます。
去る12月3日、私たちは国会において超党派議員の呼びかけにより、初めての裁判員制度に関する院内勉強会を開催しました(別紙参照)。そこには、議員8名、秘書11名を含む総勢65名が参集しました。そして多くの国会議員の方々が、「目から鱗が落ちた」「これから真剣に考えよく勉強してゆきたい」など、積極的な感想を述べてくださいました。裁判員制度に関する認知度及び国民的議論の成熟度を高めることはこれからの課題であると感じています。このような不十分なPRの上にたつ1回だけの意見聴取のみをもって、市民からの意見聴取を終了し、法案作成に入ることは許されないと考えます。私たちは法案作成に先立ち、さらなるPRにより広く国民的議論をし、そのうえで国民から広く意見聴取をすることが不可欠と考えます。今後、積極的に裁判員制度について広報を尽くすこと、さらなる広い意見聴取の機会を持ち、国民の声に十分に耳を傾けることを求めます。
3 11月20日の検討会の議事概要・配布資料を見る限り、10月31日までの意見募集の結果に関する報告はなされておらず、推進本部が10月31日までの意見募集の結果をどのようにとりまとめたかはわかりません。私たちは、意見募集の結果をわかりやすく取りまとめて、検討会のメンバーに報告するとともにHPを通じて国民にも公開することを要求します。また、10月31日までに寄せられた意見についてはすべて検討会のメンバーに配布されるよう要求します。また、11月以降も是非、裁判員制度に関して寄せられた市民の意見はすべて検討会のメンバーに配布されるよう求めます。

第3 一般市民の声を聞くヒアリング・公聴会の実施について
 10月31日までのヒアリングが終了していますが、上記の通り、政府や推進本部からの広報が十分とはいえず、未だ多くの国民は「裁判員制度」についてよく知らない状況といえます。このような段階で、ただ1回の書面による意見聴取のみによって、検討会が一般市民からの意見聴取を終了し法案作成に入ることは、絶対にあってはならないと考えます。そのような性急な法案化は、国民の声を反映した制度設計と認めることができず、「制度設計の段階から、国民に対して十分な情報を提供し、その意見に十分に耳を傾ける必要がある」とした司法制度改革審議会最終意見に反するものです。
 11月5日の参議院法務委員会の審議で、佐藤幸治顧問会議座長は「ヒアリングのやり方なども含めまして、顧問会議としても国民の様々な意見が十分反映されるように、関心を引き付けるように、そういうやり方でやっていただきたいということを、これから顧問会議としても検討会に、あるいは推進本部に注文していきたい」と述べています。また、同日の衆議院法務委員会で、森山真弓法務大臣は「それぞれの段階で、必要な意見の聴取あるいはPR等に心がけていきたい」と答弁しています。私たちは、「制度設計の段階から、国民に対して十分な情報を提供し、その意見に十分に耳を傾ける必要がある」という最終意見を実現するためには、これから裁判員となる一般の市民の声を直接検討会のメンバーが聞き、制度設計に反映させる機会を広くもつことが極めて重要であると考えます。制度の主役となる広範な一般国民の声を直接じっくりと聞く公聴会、ヒアリングの方法が取られるべきです。そこで、私たちは再度、
@ ヒアリングをもう1期日設定し、国民各層の代表の意見を十二分に聴取すること
A 一般公募の公聴会を全国各地で開催し、一般市民の声を直接聞くこと
を要求します。

                                以上